情熱は海の底、夢は宇宙のかなた@コロナ禍の学生たち 2)時代を引き寄せる力
1.宇宙の法律をつくりたい。
宇宙の法律をつくりたい。
いきなり言い出して、娘がサッカーをやめた。私もパパも、びっくりだ。なんだよ?あんなに時間とコストをかけて?せっかく、フットサルでお金をいただけるようになったのに?それじゃあ、夢を追いかけている、全国のサッカー少女に申し訳ないだろう???
ね、ママ、いまの茅ヶ崎をどう思う?海も、山も、川もあるのに、何もかも 汚して、壊してきた…人類は、ここまで何もかもワガモノガオで。
日本野鳥の会で、小学校3年生から観測を続けてきた彼女が言うと、重たい…そうか、茅ヶ崎から地球を語るか…野口さんも、びっくりだろう…
今国際ステーションでは ゴミを捨てて問題になってるの。宇宙に捨てられたゴミは、朽ち果てることなく、一定の周期で浮遊し続ける…いまなら、まだ間に合う。海も、山も、川も汚してしまったから。宇宙だけは、先に 法律をつくりたい。
わたしの頭に、破れたサッカーボールと、小鳥のおもちゃと、茅ヶ崎のマークが、宇宙でぐるぐる、ぐるぐるしている映像が浮かんだ…ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐる…
スポーツ推薦の条件はすばらしくよかった。これまでの苦労が報われた、と思った。なのに、ひとことでつぶされてしまった。
じゃあ、宇宙のゴミは、誰がひろうの?
わたしじゃないことだけは、たしかだ(~~)パパと顔を見合わせた。パパが言った。
パパとママは、拾わないと思う。
そういうわけで、わたし、フットサルやめて、宇宙法を勉強する。
「宇宙法」なるものを、初めて聞いた。しかも、宇宙法を学べる大学は、ほとんどなかった。さらにトリビア、「宇宙法」は、「海洋法」の中にあり、しかも「海洋法」は『国際法』の中にあった。
なるほど。海も、空も、続いている。そこでいうなら、茅ヶ崎の先は地球で、宇宙だ。
そんなわけで、娘は一年浪人して、春から「宇宙法」を学べる大学へ入学した。
2.大学はモニターの中。
コロナだ。だから、入学式もどうだったのか、分からない。親はいかないから。週に1度の通学は、やがて月に一度になり「大学設備費」と「司法試験専用講座(法学関係の設備とゼミがある)」を支払っている分返してほしいね、という大学生活が続いている。
それも、それなりに面白い。オンライン授業が始まった…と思ったら、5分で終わる。
わあああああ、どんどん書き込まれて、教授のカオが見えなくなって、いきなりブツンと切れた。
すごい。大学生、実行力あるな。
ええー、自宅で なるべく授業を受けてほしいですが、接続して ちゃんと座っているならまあ、いいんでしょうか。で、皆さん 質問ありますか?
教授が語ると、ぴこぴこ 女子学生が手をあげる。
せんせー。なにか、わたしに言いたいことあります?
おお!ミニーマウスじゃないか。
さっきからずっと並んでたんですけど、順番回ってきて 今からスペースマウンテンに乗るんで、教授、わたしに言いたいことがあれば 今言ってくださーい
気を付けてのりなさい、って教授がいって、ミニーマウスの耳が消える。教授が そのあとで、くどくどとリモート授業のルールを語り、そうして事務局に出欠についての指示をするから、としめた。
やりたくない職業が、またひとつ増えたな、と思う。
議員、公務員、大学事務局
ぜったい、めんどくさい。
※2022年6月現在、そのなりたくない職業を目指そうとしている自分がいます。
娘に「その1行消したほうがいいよ」と言われたけど、逆に付け加えようと思います。コロナ禍で自治会役員を見送り、とにかく様々なカテゴリでマンパワーが不足しています。やりたくない職業…よりも「未来を創るために、いま自分ができることは何か?」と考えた結果を、若者や子どもたちに伝えたいと思います。
3.はたらく、を作る大学生たち
娘がバイトで落とされた。ゴルフ場の受付だ。隣のおじちゃんのうちっぱな仲間になってる彼女は、キーパーを経験したのがよかったか、ものすごい、とおじちゃんが絶賛している。
見る目ないよね。あたし、こんだけの筋肉で、こんだけフットワークも軽くて、おまけに英語が得意だから、対応できます、って言ったのにさ。
憤慨している。パートですら難しい昨今、難しいんだろう…と思ったら、顔を輝かせて報告に来た。
あのね、いま 月額5000円まで集まった。もうちょっとあげてもいいかなぁ、試験的な価格設定だからねぇ
なに?なにしてんの?
リモートで朝おこして、朝の筋トレを手伝うって、仕事。
え?そんな仕事あるの?
つくった。いま、友だちはオンライン使って、自分で仕事つくってるよ。うまくいけば、大学の授業と効率よく組み合わせられるしさ、オススメみたいだね
それにしても、筋トレって…あなた、好きでやってはいるけど専門知識ないじゃん。
ポイントは指導じゃないんだよね。あなたと一緒に起きて、あなたと同じ苦しみを味わいます、ってとこなんだよ。わたし プロじゃないからさ。10人分、筋トレつきあうくらい、こっちはワケないよ、アスリートだからさ、人の10倍くらいはやってるから。
うーん…そうなの?なんか、筋トレって、1人で自分のペースでやるからいいじゃないの?って気がするけど?
そりゃ、ママがアスリートだったからでしょ。大概の人は、自分をコントロールしたり、制限したり、がんばったり…が苦手だよ。けど、ちょっと応援してもらったら、できるもん。
辛くなったら、筋トレしよう!!!あなたといっしょに、朝からやります
をスローガンに、不登校だったり、鬱だったり…というお悩みに寄り添いながら、ついにはお客様を 早朝の海岸散歩に連れ出すまで やってのけた。
すげーなー…
4.窓の向こうに応援団
友だちができない‥‥最初ぼやいていた娘。大学ないからねぇ
なんか、ちょっとみんながやってるSNSグループに入ってるんだけどさ…とくにはつきあいたくないんだよ、これがまた。
いいや、国家試験に受かればいいんだからさ…と勉強をはじめて、しばらくしたら またしてもニコニコで報告。
仲間ができた
ほお、どこで?
オンラインで、司法試験を本気で受けたい人、励ましあいましょう、あつまれ!ってやったら、そういう人が集まった。おじさんも、おばさんも、おじいちゃんもいるけど。
管理者として、悩みながら 1年が経過したかな…ホンキで、と すぐあつくなる自分の性質をおさえながら、ゆるゆる例題を解いたり、勉強法を語ったり、どこそこの判例集はよかっただとか、どこそこの図書館はいいだとか、語り合っているらしかった。
しばらくすると、ひやかしだったり、出会い系を期待するタイプが消えていって、10人弱にきれいにおさまったらしい。最初は 肩に力が入っていたのだろうが、実際に語り合うようになって 娘も素直になった。
孫みたいで かわいいなと思ってね、ぜひ君に試験に受かってほしくてね
わたしも、あなたくらいの娘がいるのよ、なんだか応援したくって
と、実は 「仲間」より むしろ娘自身の「応援団」ができたようだった。
なんか、いいよね、応援してくれる人がいるって。
楽し気な娘を見て、わたしも素直にうれしい。時代がどうあれ、人との出会いに感謝できるならよかった。これからの時代がどうなるのか、わたしには さっぱり分からない。年をとるって、こういうことなんだろう。
あと50年生きる…なんだか ワクワクもしない。あと10年…として、わかものたちについていけるか?とすると、全部は無理な気がする。でも、新しい時代は、とても楽しそうだ。窓を開けて、なにかが見つかるならば、やってみたらいい…心配もちょっとありながら、娘や息子を応援している。
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