情熱は海の底、夢は宇宙のかなた@コロナ禍の学生たち 4)持続可能でSDG’sなまちづくり

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目次(この記事は長文です)

1)あなたのまちは、どうですか?

2)条例の効力 3)持続可能なSDG’sとは。
4)学生発信のちがさきカラーで看板がかわる?

5)まちの色 6)ちがさきのテーマカラー
7)スクラップ&ビルド、若い力よ、まちを動かせ!

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1)あなたのまちは、どうですか?

茅ヶ崎市の景観っていうか、まちづくりの政策は どーなってるの?


唐突に娘に聞かれた。どうやら大学のレポートらしい…いやあ、断捨離で捨ててしまったよ…たしか、2年前に都市政策課のマスタープランの概略とプレゼン画像を見たような…


持続可能なSDG’sまちづくりについて、自分の住む町についてしらべ、大学生が関り実行できるプランをたてなさい


というレポート課題らしかった。優秀であれば、実行もありらしい。


わたしがしたいこと…っていうのとさ、市がしたいことっていうのとさ…きっと みんないいことしたいとは思っているはずじゃん?


うーん…市役所で聞けば? 宿題が出ました、って言えば 教えてくれるよ。若手の意見はきっと喜ぶよ。


娘に答えながら、きっとそうだろうなぁと思った。私なんかが聞けば、窓口は警戒するに違いないし、こっちもこっちで「陰謀論」っぽく、はすにかまえて聞いてしまう。わたしにとってもいい経験かもしれない…


2)条例の効力

窓口で 名刺を頂戴して 緊張していた娘。うわっつらで終わるのかな?と思ったら、これがけっこうすごかった。


ええと…「人が住み続けたいと思うまちづくり」について考えたんです。で、茅ヶ崎市はお金がないので


そうです…けど、学生に言われるのも、また切ないね。


何かのサービスをつけたりだとか、施設をつくったりだとかではなくて、持続できることを、って思うと『景観』じゃないか、って思いました。で、HPで 色々しらべて、駅前の景観や海の近くがきれいだったら、茅ヶ崎の魅力を出せたら、って思ったんです


いいところに気がついてくれました、と言いながら 職員さんが説明をしてくれる…娘がつたない知識で質問をする。街並みが整わないのはなぜか?どうにも景観を損なう商業看板が立てられてしまうのはなぜか?地区ごとにバラバラなのは なぜか?


条例で決めてても、それを無視して 景観をそこなう商業看板がたってしまうのは、なぜですか?ひとつあると、ふたつ、みっつって、ふえてしまいませんか?…


と娘。まさに、その通りで…、何度もお願いに行っているのですが 聞いていただけない、と職員さん。条例の効力には限界がある、と。


そっかぁ…でも私たち、大学生だから 法律的に市役所さんができないことでも、きっとなにか お手伝いできることがあると思うんです。たとえば…駅前で 駅前をきれいにしませんか?ってビラを、うちの大学で配る、ってしたら どうですか?


娘の提案に 職員さんが答える。


うーん、あの調子だと無理なのかなぁ。法律そのものが変化するようなことがないと。


わたしはピンとこなかったけど、彼女は わかったみたいだった。


そっか。営業の自由ですね、条例をいくらつくっても、おねがいしても、法律で守られているから。そうだなぁ、わたしもそれは大事にしたい。だから 別の切り口がいいです。


3)持続可能なSDG’sとは。


花を植える、っていうのは どうでしょう?


と職員さんが助言してくれた。そうね、そういう事例は結構見るよ、大学生がやってて補助金や助成金が出てたと思う…とつなげると娘にカットされた。


うーんと、ええと、持続可能じゃなくちゃと思うんです。


娘が政策用語をいうとは。

花を植える、って それって、人ががんばらないとできなくて、継続する人がいなくちゃいけなくて…それから、誰もが参加できるとか、いつも目につくか?っていったら そうでもなくて‥‥しばらくしたら、なくなっちゃう方法じゃないですか?


よく見ている…数年かけて、私が出した答えだ。花壇ボランティアは、植物の経年劣化に、ボランティアの手が間に合わない。専門知識がなければ、そのうち什器での手入れを必要としてしまう…PTAなどで取り組めば、方法によっては 痛手を被る…


息の長い活動に見えて、花壇活動のリミットは 長くとも 3~5年だと思う。がんばりやさんの団塊世代とその上がいなくなってしまったから、よけいリミットが短い。その上、参加の窓口は それほど広くないのだ、手間がかかるから。


それに、花や木を植えても、心無い商業看板の事業主が「よし、かえよう!」とは思わないじゃないですか


そうだ…花は花エリアで おしまい。木は木でおしまい。それで、ビカビカの、それぞれチグハグな看板‥‥みんな違ってみんないい、の理念は 人の輪でやることで、まちづくりでやることではない。


たとえばスーパーとかって、必ず人が利用しますよねぇ…
みんなにとって、身近で、いつも使っているもの、自分も持っているもの…


それに 人が欲しくなるようなシカケをしたり、何かを紛れ込ませたり、って そういうかんじのほうがいいと思うんです。


アクションをわざわざ起こせば、参加する人は限られる、だけど いつものナニカなら、いつの間にか皆が参加している…ってかんじで。


わたしはピンとこなかったけど、なるほど!と職員さんが頷いて言う。


そうですよね、そういう視点であれば学生さんの発信力で、それが地域ブランドにもなりえます。


自分が持っている、参加できる…っていうものでないと、人は大切にできないから。


娘がいって、わたしは ほお!と感心する。そうだ、その通りだ。持続可能ということは、特別に新たな何かを加えることよりも、いつものナニカの方がいい。

新しいこと、しかも自分に関係ないことって、人は 猜疑心から入るし、強い説だと、無関心のままでいたい…って反動するから、どうしても強く反対しますよね。


大学生の分析だ、すごい、すごすぎる。


法律をかえたり、説得したり、いちいちイベントをしたりしなくても、もともと生活や習慣の中にあふれているものを利用する…そういうのがいいです。


リクツは分かっても、まったく 大学生のイメージがわかなかった。


4)学生発信のちがさきカラーで看板がかわる?

茅ヶ崎市のコンセプトとか、テーマカラーってありますか?


うーん…と腕組みした職員さんに、娘は言った。


コンセプトが難しければ色…ほら、ティファニーって聞いて、みんなが美しい水色を思い浮かべるじゃないですか。茅ヶ崎のテーマカラー。


娘が続けた。わたしは、まだピンとこない。ところが、職員さんたちにはわかったらしい。


それはいいですね、時間はかかるかもしれない。でも、波及力がありますから、営業者が自ら、参加したくなる方法です。


わたし、時間がかかってもいいと思うんです。やってみて、ばえる方法なら、市内だけでなくて、市外からも その光景を見に来る人がいて…


うんうん、そう思います、時間がかかる方法でもね、自発的に参加して広がるって定着するんですよ。


なにがいいかなぁ、たとえば海の色、として水色みたいに。


職員さんたちが前のめりにアイデアを出し合う。

マスクはどうでしょう?
いやいや、マスクは マイマスクでけっこう それぞれのこだわりがあるから難しいよ…
どこかの商店会で、ハタを使った例がありませんでしたっけ?
あった、あった どこだったっけ…わりとあるんだけど、商店会一体だときれいなんだよね

次々と ちがさきカラーのナニカ、のアイデアが出てきて白熱する。

びっくりだ。そして、ようやくわたしの頭にイメージが浮かんだ。


駅を降りたら、美しい水色のボードが迎える。「ようこそ、茅ヶ崎へ」

アーケードに、水色のフラッグがはためき、ショーウィンドウに水色のリボンが飾られる。

トイレへ入ると、鏡のまわりに水色の小石がついている…駅ビルでは ティファニーのような美しい水色の紙袋に商品が入っている…水色の紙袋やエコバックを持った人々が 街並みを彩る…


住民や市役所を悩ませ、景観を損なう商業看板は、テーマカラーの中でNGスポットになってしまう。なぜなら「ばえない」上に、2つの主張が浮き彫りになるから。学生たちが、事業主の2つの主張を読み取った。


1.おれらは自分さえ目立てばいい店だ、お前らのまちづくりなんて知るもんか
2.おれらは この町ナメてんだぜ。どうせ、お前らには何もできないだろ?


5)まちの色

帰宅して 娘が いきいきとレポートを書き始めた。すごいなぁと感心していたら、さらにすごい助言をもらった。娘とのやりとりを友人に話したら、美大出身の彼女が言ったのだ。


じつは、水色って危険性も持っててね…美大で「美しい街なみ」みたいな絵画をみたり、写真を分析したり、ってあるんだけど、まずは その町の自然体系から、テーマカラーを分析するの。イエベか、ブルベか、って。


化粧品やファッションで ここ数年流行している、イエローベースとブルーベース。肌のトーンに合わせて、自分に合う色をさぐる…という方法だ。


たとえば、緯度が高い北海道では、ブルーベースが似合うから、ラベンダーの色が合うし、砂漠ではイエローベースでも主になる色は砂色になるから、濃いブルーのタイルが似合う


なるほど、なるほど…どちらも、美しい街の色彩が目に浮かぶ。


従来その地域にある植物や、太陽を表現する色なんかを分析すると、テーマカラーが浮かび上がるの。で 水色が難しいのはね、元々 空がどーんと広がっているわけで、水色が背景に多くとりこまれているでしょう?どの町でも、水色の面積は 空にはかなわない。そこに、人工的な水色が入ると「違和感」を与えちゃうの。だから、世界的な都市では 水色をチョイスする事例が あまりないのよね。


へええ…カメラでズームした「プリティブルー」の画像を思い浮かべて、自分の見知っている商店会やスーパー、国道においてみた…ああ、たしかに浮いている…。


発想はとてもよくて、若い人たちのおはなしを 私もぜひ聞きたいの。できることならテーマカラーをさぐる席にも参加させてほしいくらい!


6)ちがさきのテーマカラー

彼女と話しているうちに、思い出したことがあった。駅前商店会からの掛け声だ。

現在、茅ヶ崎駅前の南北の商店会の街灯は、ふかーい緑色で、ちょっとオシャレなの。そうして、車止めは こげ茶なので、これが又マッチしているのです。


でも、じつは それは市民力。当初からのデザインではなかったのです。つけるはずだった街灯は、ごくごく在り来たりの、つまり エメラルドっぽい水色。街灯を設置するにあたっては、ところどころ 茅ヶ崎の自生していた黒松を伐採することになったそうでした。


黒松はね…赤松と違って、生育するには時間がかかり それから ズシリと格好がいい…ので、お値段も格段に違ってしまう。だからこそ、昭和初期までの茅ヶ崎は「高級感あふれるリゾート地」に見えたんでしょうね。


「茅ヶ崎のビジョン、黒松の色をせめて残したい」


立ち上がったのは、老舗料亭のHさんと地域応援のKさん。一生懸命声かけをした結果、駅前の街灯と車止めは「黒松のすがた」を、その色に留めたのです。


その話を美大出身の友人と、大学生にしたら、どちらも同じことを言いました。


 いいねぇ、うっとりするね…夕日がキラキラ、似合う色だ


すごいなぁ。黒松を輝かせる夕陽、海と砂浜。きらきらする、その光景は 若い世代にも響く景観だったようでした。


7)スクラップ&ビルド、若い力よ、まちを動かせ!

深緑やこげ茶では、波及力はうすい、もらっても「ほしい!」みたいなオシャレ感がないよね


でもさ、スタバって深緑のシンボルだけど、みんながほしいと思うわけでしょ?デザイナーとかに頼めば、それでもいけるかな、って思うんだけど


カラーだけじゃなくて、デザインも、ってなると コストがかかると思うんだよね


クラウドすりゃいいじゃん、大学からっていうのもあるんだし。


スタバ=深緑って、企業理念の高さが、そこに出ている気がする。まちに対して リスペクトしてるってことでしょ?行きたい空間、ほしいグッズってなるもんね、すごいよ


なーんて、いろんな意見が出ていました。


これが議論というものだな、と 久々に思いました。ディベートではなく、ビルディング。新しい、若い世代は「創り上げる」力があるのですよね。かたちにきちんと落ちていく。なによりも、互いをリスペクトして、対等に意見を言い合えるのがいい。


ここ以外では、じつは 鎌倉のてらこや、大学生や30~40代の理事たち。どちらも若い世代層です。世界を2つに…と言われても仕方ないな…と思ってしまいました。


よくてディベート、悪ければ「朗読会」になる地域会議。町をよりよくしたい、という思いは同じはずなのに、オレさま席以外からの意見が全く言えず、うまいこと理由をつけて消えていく若手は少なくありません。


スクラップ&ビルドというけれど、かれらが活発に意見を重ねて創っていく…その姿こそが、残すべきものだと強く感じました。


わかものたちよ、まちを動かせ!未来へ輝く、その力で。






5階のうだがわです。

茅ヶ崎駅前で今日もホンキで、防災、英語絵本、地域活動しています。